広視野X線モニター (Wide-field X-ray Monitor; WXM)


WXM は 2つのユニットの1次元位置検出器で構成されています。それらは、XとY方向を独立に測定 するために垂直に配置されています。

WXM の 1つのユニットは 1次元の符号化マスクと 187 mm 下に位置する 2台の 1次元位置検出型比例計数管から成り立っています。符号化マスクはアルミの板 (0.5mm 厚) に金 (0.025 mm 厚)を蒸着したものから出来ており、ランダムな幅をもつスリットがあります。 ガンマ線バーストの位置は Xと Yの方向でのマスクパターンのずれ具合を測定する事により 決定されます。WXM のマスクパターンはガンマ線バースト位置決定精度に基づいた、同じ開口率 そしてマスク要素の大きさによる 100,000 ものランダムなパターンから選ばれました。

それぞれの比例計数管は、上層セルの3本のカーボンファイバー製の陽極芯線 (直径 10 ミクロン)、 下層セルの4本のタングステン製の芯線、そして 1.4 気圧で密封されているキセノン(Xe)ガスと クエンチングガス として 3% の二酸化炭素(CO2)から出来ています。 3つの上層セルは X線検出に使用されています。それらは、深さ 25.5 mm、幅 ~27 mm、 そして 3.4 mm の間隔で置かれている陽極芯線によって分けられています。4つの下層セルは 反同時計数により荷電粒子イベントを除去する目的で使用されます。この下層セルは深さ 11.5 mm です。120 x 83.5mm2 の検出部分は 100 ミクロン厚 の Be 窓で封印され ています。

入射X線の位置は電荷分割方式によって決定されます。この方式は、L/(L+R) が 入射X線位置と、そして L+R が光子のエネルギーと線形関係があるという性質を 用います。ここで、L と R はそれぞれ、左側 (L) と 右側 (R) から読み出された パルスハイトの値です。

比例計数管と電器系統は理化学研究所と宮崎大学で製作され、符号化マスクと 機上位置決めソフトウェアはロスアラモス国立研究所で開発されました。


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左側の写真は WXM の比例計数管。右の写真は WXM の概観。
製作 理化学研究所 (日本) と ロスアラモス国立研究所
検出器 符号化マスク + 比例計数管
エネルギー範囲 2 to 25 keV
時間分解能 1 ms
エネルギー分解能 ~22% @ 8 keV
検出器量子効率 90% @ 5 keV
有効面積 175 cm 2 for each of two units
感度 (10 sigma) ~8x10 -9 erg cm -2s -1 over the 2-10 keV range
視野 1.6 steradians (FWZM)
位置分解能 +-11 arcmin (normal incidence, 8 keV)