東工大ガンマ線バーストの可視光観測システム:

YATS(Yatsu Automatic optical Transient Seeker ?)

(仮名)

NEW!

TITech RIBOTS! YATSU!
谷津くん

東工大RIBOTSは、2000年10月に打ち上げされたガンマ線バースト観測衛星 HETE-2の位置速報をもとに追観測を行なう『ガンマ線バースト即時自動観測望遠鏡』です。東工大RIBOTSの最大の目的は、HETE-2によりバースト発生1分以内に約30分の精度の発生位置をソケット通信により受け取り、即時に発生方向に望遠鏡を向けバースト発生中、発生直後のガンマ線バーストの可視光フラッシュ・残光の振舞いを捉えることです。

このシステムは、現在、東工大の本館屋上に設置されています。HETE-2の通報から、即時に観測を開始するために、屋根が全開型の観測小屋、市販の高速駆動可能な小型望遠鏡(口径30cm)、HETE-2の位置決定誤差範囲を十分にカバーできるだけの広い視野を持った、市販の冷却CCDカメラから成り立っています。このシステムで得られる限界等級は、Rバンドに換算して18等級で、東工大という都市光の強い環境下にありながら、可視光フラッシュや早期残光の観測を充分に行える感度を持っています。

HETE-2のガンマ線バースト観測頻度は、年間20個程度ですが、北半球で観測出来る可能性、残光の明るさ、天気等を考慮にいれると、さらに観測できる頻度は少なくなってしまいます。東工大では、できるだけ多くの観測を可能にするため、システム完全自動ソフトを製作していますが、この自動システムに加えて、より確実な観測ができるよう、携帯電話を使って手動で望遠鏡を操作することも検討しています。手動と自動の両方から完成度を高め、機動性の高い、確実な即時観測を目指します。

また、残光や可視光フラッシュの観測に成功した場合、東工大でその位置検出を行ない、即時に中・大型望遠鏡の詳細な観測(分光観測など)が行えるように速報を行う予定です。HETE-2の位置より更に正確な位置を報告することで、より迅速に詳細な観測を開始することができます。すでに、RIBOTS1号機を設置している美星天文台では、RIBOTの速報を受け取り、即時に1m望遠鏡で即時分光観測をお行うシステムの開発が行なわれています。


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RIBOTSの研究目標

HETE-2衛星の位置速報をもとに、ガンマ線バースト発生中および発生直後 の、可視光フラッシュ、早期残光の観測を行います。 検出した残光の位置は、中、大型望遠鏡が詳細な観測を迅速に行えるように 速報する予定です。



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東工大RIBOTS システム

東工大RIBOTS は以下の様に構成されています。
  • MEADE LX200望遠鏡(口径30cm)
  • Apogee Ap6E
  • 雨センサー
  • 観測小屋
  • PC


これまでの観測とその成果

イベント名 観測状況 結果
GRB021211 バースト発生から2.3時間後観測開始 x(導入失敗)
GRB030115 バースト発生から10時間後観測開始 x
GRB021211 悪天候のため観測不可 x
GRB030227 バースト発生から1.4時間後観測開始 x
GRB030329 バースト発生から1.1時間後観測開始 o
GRB030418 バースト発生から20分後観測開始 o


東工大RIBOTSの検出限界

東工大RIBOTSは、観測感度を高めるために、バンドパスフィルターを用いないで観測を行っています。
東工大RIBOTSの限界等級は、30秒の積分時間、CCDカメラを-20℃に冷却して、約18等級です。(東工大屋上で撮影したM67)
この感度は、GRB990123で捉えられた"可視光フラッシュ"を捉えるのに十分な感度で、さらに暗いフラッシュ現象を捉えることが可能です。

NEW! ・RIBOTS で撮像した火星 (撮影日: 2003/08/24, 撮影者: 谷津 陽一) Mars


最終更新: 2003年 6月 6日

Web curators: 佐藤 理江